ホーム > セルロイドの特徴
1863年「象牙製ビリヤード球の代替品を探し出したものに賞金1万ドル!」という公募に、ニュージャー州の印刷業者ハイアット兄弟が挑戦。試行錯誤を続ける中、指の切り傷に使おうとした薬(コロジオン)をこぼしたところ、跡に残ったニトロセルロースに着目、実験を繰り返した末、これに樟脳を混ぜて出来る「セルロイド」を発明。1870年改良を加え、特許を取り製造開始したのが始まりです。
日本には明治10年(1877年)、神戸に見本品で輸入されたのが最初です。その後、財閥による企業化や、クスノキを原料とする天然樟脳が、極東方面にしか分布していないということから日本での製造が盛んとなり、昭和初期(1926年頃)には世界の生産の4割を占めるようになりました。また、第二次世界大戦後の昭和27年(1952年)にはセルロイドの輸出が日本の全輸出額の5割を超え、復興期を支えたといえます。しかしその後に迎えた大量生産の時代、石油系プラスチックの台頭により、製造や加工に手間がかかり、取扱に注意を要するセルロイドは衰退して行き、1994年(平成6年)日本の技術をもって中国生産が立ち上がるとともに、1996年(平成8年)日本におけるセルロイドの生産はすべて終了しました。現在、セルロイドはピンポン玉、メガネフレーム、ペン、ピック、アコーディオンボディーなどに使用されております。
乾燥工程も含め、出来上がりまでに約6ヶ月を要します。色鮮やかな大金魚柄を選びました。1,400×630×2mmの原版を短冊状に打ち抜き、一定の温湿度で保管します。
湯通しのための、フック掛け用の穴を開けます。
湯通しで筒状にするとき、端面がぴったり合うように正確に角度をつけてカットします。
湯で温めた短冊状のセルロイドを、パイプを通して引き出して筒状にします。
筒状になったセルロイドの端面を、アミール液につけて接着します。
吊るして約2週間の乾燥。その後ペン1本の長さに切断して、先端部分にRを付けます。
湯槽で型に入れてプレスを行います。冷却後取り出して、乾燥を約2ヶ月行います。
外径・内径を切削加工します。バレル・羽布を使って磨きあげます。
ペン芯や金具を取り付け、組立検品を行います。
セルロイド紐(幅5㍉×厚0.2㍉)をつくり、京都の伝統工芸「組紐」の技術で、セルロイドのペン軸に編み込みます。編み方により、色々な柄になります。触れると編み込まれた感触が手に伝わります。